トップページに戻る  
はじめにお読みください  
新着情報  
研究発表  
情報大工のひとりごと  
業務案内  
ご意見箱  
リンク集  
情報大工のひとりごと

雑感いろいろ(書庫)(3)



TCO99対応ディスプレイ、増えませんねえ____見出し罫線____

懸案であったサイト移転も無事に終了し、ほっと一息です。URLが変わっただけで今までと何も変わりませんので、今後ともよろしくお願いいたします。

さて、現在使用しているディスプレイの挙動が怪しくなってきたために後継機を物色していて、気付いたことがあります。一昨年の年末にもディスプレイがおシャカになって新機種を購入したのですが、最新の環境規格であるTCO99に対応したディスプレイが当時からほとんど増えていないのです。ちなみにそのときに購入したのは、TCO99に業界初対応を果たしたという触れ込みの東京特殊電線(株)(TOTOKUブランド)のCV821Xなのですが、現在でも東京特殊電線(株)以外には(株)ナナオ(EIZOブランド)の現行機種が対応しているに過ぎません。
確かにコストがかかる割にはユーザーに無視されがちな環境規格ですが、だからといって対応しないというのもどうかという気がします。名前は出しませんが、ディスプレイ販売で大きなシェアを持っているメーカーには、特にしっかり対応してもらいたいところです。液晶ディスプレイではTCO99対応をしている機種もある以上、TCO99の存在を意識しなかったという言い訳は通りません。また、マスコミもディスプレイの評価をするときは、こうした目に見えない環境関連コストの部分にもきちんと触れて欲しいと思います。

というわけで、当研究所の代替機種としてはまたしてもCV821Xか、(株)ナナオ製の製品にしようと考えています。液晶ディスプレイも考えましたが、DTPをすることを考えると結局XGA(1024×768)サイズの解像度では、仕事にならないんですよね。
. . . とここまで書いてもう1度CV821Xの仕様をWeb上で確認してみたら、なんとTCO99の代わりにTCO95と記載されているではありませんか! 認定プロセスの途中で問題があったのかどうか知りませんが、どうも途中で仕様を変更してしまったようです(参考までに、2/7現在ではこのページの写真にTCO99対応をうたったときの名残がばっちり残っています)。
まあ未だにTCO95すら取得していないディスプレイを大量に出荷しているメーカーに比べれば遙かにましなことに変わりはないのでしょうが、何だかがっかりです。EIZOブランドのディスプレイを買うしかありませんね、これは。(2000.02.07)




AIDAの観点を応用してみよう____見出し罫線____

マーケティングなどで使われる用語に、購買心理モデルであるAIDA(アイーダ)があります。Attention(注意)→Interest(関心)→欲求(Desire)→購入(Action)という流れで、商品の購買決定に至るまでの人間の心理過程をモデル化したものです。DとAに間に記憶(Memory)を挟んだ、AIDMA(アイドマ)モデルもよく使われています。
しかしこの考えかたはマーケティングの世界だけに役立つものなのでしょうか?
マニュアルやインターフェースの領域では、もっと学問学問としたお堅い認知科学的モデルに基づいた発想が尊重されがちですが、人間のナマの欲望にもっとも近いところにいるマーケティングの世界の考えかたも、もっと活用できそうな気がします。特にユーザーを個別説明に引き込むまでのプロセスには効果的なはずですし、ユーザーの欲求とメーカーの思惑をうまく調和させるための仕組みを(マニュアルの構成やインターフェースの設計に)盛り込む際にも、うまく利用できるのではないでしょうか。

最近「Webサイトのユーザビリティ解析およびサイト内の情報マッピング評価」(マニュアルだけでなくこうした業務も行っております)というお仕事をいただいている関係で、こうしたことを考える機会が多くなりました。今回はそのつながりで面白いWebサイトを発見しましたので、ご紹介しようと思います。
Webデザインをマーケティングの視点から考察する「繁盛するWebデザイン」です。特にその中の1コーナーの「ウェブデザイン原論」では、前述のAIDAをWebデザインに応用するとどうなるか?という視点で考察されており、必見の内容といえるでしょう。普段意識せずに行っているようなことでも、こうして明確にまとめられると「なるほど」という感じがしますね。
開設間もないようではありますが、今後に要注目のWebサイトと言えるでしょう。(2000.03.21)




ワンソース・マルチなんちゃら____見出し罫線____

ひところ「ワンソース・マルチユース」という言葉が流行りましたが、今ではDTPも一般化して、以前よりもワンソース・マルチユースがしやすくなりました。「マニュアルとヘルプを同じデータから一度に作ってしまえないか」というような話しもよく聞きます。
こういった路線の延長か、データベース屋(またはその志向が強いかた)さんが「すべてのコンテンツをXML+XSLで記述することで、究極のワンソース・マスチユースが達成できる」と言っているのを耳にしたことはありませんか? 確かに展開メディアに合わせて最適化したスタイルシートを用意することで、容易にワンソース・マスチユースが達成できそうです。

しかしこれは、本当にユーザーが望む姿なのでしょうか?
以前WEB DESIGN CONSORTIUMのMLで、ユーザーが求めているのは「情報の提供側に一番のメリット(コストダウン)があるワンソース・マルチユース」ではなく、「ユーザーに一番のメリット(情報が媒体ごとに最適化されている)があるワンインフォメーション・マルチドキュメント」である、という趣旨のポストをされた方がいて、「なるほど」と感心した覚えがあります。確かに展開メディアに合わせてスタイルシートを最適化しても、(極端な例ですが)紙用に書かれた文章をi-MODE端末で見るというのはそもそも無理がありますよね。
実際はコストやその他の制約もあるわけで、展開メディアごとに素材を用意するわけにはいかないのが現実です。しかし、情報の出し手と受け手のメリットを総合的に考慮した上でワンソース・マルチユースを実行しているところとそうでないところは、やっぱり違うんですよね。見る人が見ると、バレバレです。

「ワン〜・マルチ〜」というのを突き詰めていけば、「ワンフィロソフィー・マルチインフォメーション」というのが情報提供側のスタンスとして、本来最上位に位置すべきものであることを再認識すべきなのでしょう。(2000.04.17)



前の発表へ 一覧に戻る 次の発表へ