情報デザイン業務の周辺で思ったこと、そして考えたこと
「商品購入意思決定に企業ホームページの掲載情報が大きく関与」(ネットレイティングスのリリース、INTERNET Watch記事)というニュースが出てきたのですが、「だから言わんこっちゃない」というのが正直な感想です。
以前「Webサイトの製品情報について考える」でまとめたように、こんなことは前から明らかだったのですが…。先日JAGATのセミナーでお話させた頂いたように、生活者としての自らの経験がWebサイト構築に全然反映されていないということが、問題の一端にあるのではないかと思います。「忙し過ぎて生活者としての日常生活など送れない!」説もありそうですが、その辺の文句は経営者の方に廻して頂くということで(笑)
さて少し視点を変えて考えてみると、このような問題が出てくる背景には、Webサイト制作においてテキスト情報が軽視されがちなことにも原因がありそうな気がします。Web制作会社を見ていると、ビジュアルデザインやシステム、コーディングといった分野には人材を集めているものの、テキストの専門家を集めているという話はあまり聞きません。「テキストなら誰でも書ける、日本語だし」という意識であるならば、「マニュアルなんて余剰人員に書かせればいいじゃないか、日本語だし」というどこかで聞いたような話とレベルは同じでしょう。もちろん最下層の話ですけど。
単にテキスト情報といっても、カタログで使用されるようなものと、何かを説明するためのものでは大きく異なります。作成に特殊な能力が必要とされる訳ではないとは思いますが、それでも何らかの訓練は必要です。また、アクセシビリティの実現という観点からも、今後はテキストの扱いがより重要になってくると思うのです。内容を伴ったアクセシビリティを実現するためは、媒体や表現手法にあわせたテキストのコントロールが必要になりますが、テキスト情報の扱いに精通した人材がいなければ、このようなコントロールは期待すべくもありません。
いくら情報の視覚化が一般化したところで、「情報を伝える」ことを目的とするならば、情報伝達の基盤となるテキスト情報を軽視することは自殺行為です。魅力的な商品訴求というコピーライティング中心の思惑から離れて、もっと基本的な部分でのテキスト情報の重要性を再認識すべきでしょう。その意味では、(前記事とは異なる意味で)テクニカルコミュニケーション分野の人材との相互交流という試みも面白いと思うのですが、いかがでしょう > Web制作会社の経営層の方々
ウェブ制作会社の場合、専門的なライティングは外部ライター、編集をディレクターが兼務することが多いです。編集能力はディレクターに求められるスキルなのですが、総じて不足気味であるというのが現実なのでしょう。耳の痛い話です。テキスト情報の重要性についてはSEOのこともあって制作会側でも近年敏感になっているように感じます。
Posted by: yui : 2004年06月24日 18:21同じくWEB屋ですが、予算に余裕がある場合はまずライターさんを入れるようにしています。
マニュアル屋さんは情報構成からコピーワークまでこなせるわけですから、スキルセットとしてはほんとうにWEBに必要なスキルなんだなという気がします。
Posted by: ave : 2004年06月24日 20:28いろいろ参考になるコメントをありがとうございます。
■yuiさん
もちろんすべての専門分野についてライターを自社内に抱えておくことは困難なので、必要に応じて外部ライターと協働せざるを得ないのはその通りだと思います。
これまで話を聞いてきた範囲では、今のWeb制作会社のディレクターやIAはスーパーマンみたいなカバー範囲の広さが求められている感がありますが、やはり無理がありますよねえ。やはり情報内容に集中できる立場の人がいないと、なかなか品質は上がらないのかもしれません。
あとSEO絡みはご指摘の通りだと思います。その種の話もネット上で見聞きするようになりましたし。
■aveさん
はい、どんどん入れてください(笑)
あとはやはりライターさんが腕を振るいやすくするためにも、コンテクスト設定を含めた事前の情報設計をしっかりやることが必要になってくると思うんです。
マニュアル屋はスキルセットだけ見ると使えそうなんですが、なかなかそのままでは…(他人事じゃないんですが)。そういう意味で、相互交流とか同じ仕事を組んで担当してみるとかの機会があると、お互いに視野が拡がってメリットがあるんじゃないかなあと思います。
Posted by: たかやま : 2004年06月25日 15:50はじめまして。webライターです。
でも、名刺にはフリーライターと表記してます。
webライター、と名乗る人が少ないのは、
まだ職業として確立していないためではないかと思います。
仕事の発注も「キャッチコピーとボディコピーをお願いします」と来ます。
私どもが強くアピールしなくては、と感じてます。
はじめまして。
テキストがゼンゼンないサイトを持ってたりして書くのも何ですが(笑)、このへんは中小のオンラインショップなどは進んでますよね。
中小のオンラインショップに関して言えば、どちらかと言うと、買わせるためのテクニックというより、信用してもらうため、自分の想いを伝えるためにやってきたところが多いのですけれど、SEO対策はもちろん、FAQ代わりにもなることもありますし(不要な問い合わせを減らす効果)、何よりも「書かなければ伝わらないものは書く」が重要なところだと思います(口グセになりつつあります)。
なお、私の知る限り、大手企業の製品サイトなどでも、一部かもしれませんがWeb上におけるコピーライティングにも相当の時間をかけてやってます。ですが、ブランディングなどの関係もあって、抽象的でスマートなコピーが多かったりします。
ちなみに、中小のオンラインショップの情報設計に関しては、目に余るものがあります。。。
最近はお金をかけてやっているところも増えていますが、デザインはもちろん、ユーザビリティやアクセシビリティもめちゃめちゃなものが多いです。。。
でも、それが、ブランド力がなく、金もスキルもない人たちが築いてきた「知」であり、そこから学ぶべきところも多いです。どう見てもそうは思えないサイトが月商数千万とか数億円を稼いでたりしますから。
そもそもの問題点として従来、Web制作は広告代理店から一広告メディアとして落ちてきていた(すでにコピーワークは終わってあとはWeb用に制作するだけだった)点があるかと思います。
近年になって「Web制作会社」もクライアント企業に認知されるようになって、直接クライアントから受注することが多くなり、そうなると全てをWeb制作会社内部で完結する必要性がでてくるわけですが、それに対して、そういった体制がないため、既存リソース(ディレクター?プロデューサー?)がテキストレベルでのデザイン/編集作業を行うに至っているかと。
また外部に求めるにも求め先(リソース)がない、わからない、というのが現状かと思います。
そういう意味ではWeb制作以外からサイト制作に入ってきたようなメディアプロダクションの場合の方がよりよいものを作っている気がします(が、これはプロモーション広告サイトの場合のみで、企業サイトには当てはまらない)
では、IAなりディレクターなりがWeb制作社内でそういったロールを引き受けるべきか?というと(そもそもこの発想が間違っていると思いますが)かりにWriterなり(前職ではそういう専門職種がありました)を選任で雇ったりテキストレベルの情報設計を主に担当するIAを置いたりした場合にどうなるか、というと、そもそもこういったテキストなどによる文脈設計って視覚的効果(表層デザイン)以上に、全体的なクリエーティブ・ディレクションをリードするわけですから、そーなるとある意味では既存の視覚的効果をリードしているロールの方の上にたつ立場になる(ディレクションする)または一緒に共同作業するという時点で、そもそもビジュアルデザイン以外に興味がない人とかは「気に障る」ようです。
これはWeb制作会社の大半がAD/デザイナーまたはSE/プログラマー主体でその体制を成しているためではないかとあえて言ってみるテスト(謎)
…もちろんそうではない構成の組織もありますが全体的な業界の傾向としてそういった組織を軽視/蔑視する傾向にあるのは事実かな?と思います(あくまで個人的な感想ですが)
これは表現媒体が常に技術的に革新しているメディア故の傾向なのかな?と思います。
http://www.laplace-lab.org/cgi-bin/mt/mt-tb.cgi/49
ウェブの重要性に対する認識はここ3、4年で飛躍的に向上したのに、その中身である、「テキスト」に対する意識ってどうなんでしょう。 やはりデザインや設計と比べると多くの場合、重...(2004年07月13日 03:55)
テキストライティングという役割・・頭の痛い課題です。ニーズに応じライターさんにお願いする現状ですが、そもそも、そういうフローが定着してませんし(2004年08月09日 01:06)