情報大工のひとりごと

情報デザイン業務の周辺で思ったこと、そして考えたこと (記事タイトルの一覧

相模原市のBRT計画で頭を抱える日々、とか

2009年06月09日

いきなり降って湧いた相模原市のBRT計画(場合によっては弊社立ち退きも)への対応(延べ3回に渡って各種の住民説明会に出席したりパブリックコメントで対抗するために交通政策を勉強したり)とか新年度の講義が始まったりとか大物改訂案件があったりとか家庭内風邪が蔓延して潰れていたりとかしていた関係で、またしても更新が途絶えてしまい申し訳ございません。

とにかく最初に触れたBRT(Bus Rapid Transit)計画が頭の痛い問題で、将来に渡る生活設計・事業設計が脅かされているのが実情です。12mの都市計画道路予定地の影響範囲外に住居を定めたのに、(地元に何の説明もなしに)いきなり「予定ルート決めました」「バス専用道とあわせて(12mの都市計画道路予定地に)30m道路を導入します」「パブリックコメント実施します(パブリックコメント開始日夜に一部自治会への説明がはじめて行われる)」というのは、いくら何でも酷すぎるというか進め方として不誠実すぎるだろうと。ましてや、事業目的と現実認識が乖離している説得力皆無の計画案では、協力する気にもなれないというのが本当のところ。頑張って勉強して、10ページ超のパブリックコメントを出しましたとも、ええ。

とりあえずネット上で(感情的ではない)まとまった反論の例としてはこのページがしっかりしていると思われますので、興味のある方はぜひ一度ご覧くださいませ。内容的に偏っているとはいえテレビ番組で扱われるわ、異例のパブリックコメント再実施にはなるわ、計画に反対する市民団体はできるわで、この問題を巡って現在大騒ぎ。弊社存在地の相模大野駅周辺は地価と利便性のバランスがそこそこ良くお勧めだったのですが、こんな行政では他事業者の方に危なくてお勧めできないですね…。

とまあ、今日明日に方向性が決定されるわけでもない問題に精神的なリソースを割いているのは勿体ないので、目の前の仕事をしっかりやるということで。昨今の経済情勢の影響もあり業務負荷も当面それほどではありませんので、いろいろ研究なども進めていきたいと考えています。また、大学の講義だけでなく企業における教育にももう少しタッチしていきたいですね。マニュアルライティング周辺の教育について実務で悩まれている方のお話など、ぜひお伺いしたいところです。直接仕事に繋がらない話も大歓迎(笑)ですので、お気軽にご連絡いただければ幸いです。

業務システムのマニュアルと業務マニュアル

2009年02月24日

業務システムのためのユーザーマニュアル作成ガイド」なる書籍が発行されたとのことで、その辺について思うところを入手前(笑)に書いておこうと思います。

業務システムのマニュアルにおける一番重要なポイントは、画面単位ではなく、業務単位で説明することです(例:「顧客情報登録/修正」という画面があるとして、「顧客情報登録/修正」という画面単位ではなく、「顧客情報を登録する」「顧客情報を修正する」という業務単位で見出しを用意する)。業務システムでは単一画面で特定業務が完結するように設計されることが多いと思いますが、当該画面への遷移方法は利用組織・業務依存で異なることが常ですので(コンテクスト依存)、業務単位で説明した方がユーザーにとってわかりやすいのです。業務システムのマニュアルは、システム開発を担当したSIerが画面単位の外部仕様書を流用して作成することが多いと思いますが、この点に注意が必要です。

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想像力・連想力

2009年02月16日

思考実験をしてみましょう。以下の文章をお読みください。

某メーカーは、これまで長年A社から部品を購入して最終製品を生産していました。しかしA社の部品品質が悪いとクレームを出しているのに品質が良くならないため、購買先をB社に変更しようという話が出てきています。
ここでA社からB社に購買先を変更するためには、上長にどのような材料を揃えて意見具申するべきでしょうか。

まあ良くある光景ですよね。一般的には、以下のような点を分析した材料を揃えることになるでしょうか。

  • 部品に求める品質の判断基準
  • 購買先変更の理由(現状の問題分析、A社では駄目な理由)
  • B社の選定理由(他の購買先との比較検討)
  • 購買先変更に伴って予想される問題と対策
  • その他いろいろ

もちろんその際に、「判断基準自体がおかしいのでは?」「自社の要求が不適切なのでは?」「A社の言い分をきちんと聞いているのか?」「B社の選定理由の根拠が薄弱なのでは?」「移行期間の問題想定が甘いのでは?」などなど各種様々な突っ込みが入る訳ですが、企業活動の現場では良くある話です。その種の突っ込みを無視して「とにかくA社はもうダメです!B社に購買先を変更しないと我が社は終わりです!」とか「一回B社にやらせてみて、ダメならA社に元に戻せば良いでしょう」なんて主張したところで、一笑に付されるのがオチです。それどころか、そのような主張をした人の実務能力が疑われる事態に発展することになるでしょう。これってビジネスパーソンとして当たり前の話ですよね?いやいや、一般的な社会常識としても当たり前の話ですよね?と言い換えましょう。

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日々の雑記 090119

2009年01月19日

いまさらで申し訳ございませんが、本年もよろしくお願い申し上げます。

昨年春(というか一昨年秋)から続く業務多忙がようやく一段落して、ようやく平常に戻りつつあります。ご時世的にこのまま平穏が続くということも考えられる訳ですが、そうはならないよう祈りたいものです。まあ、平穏な間に新しいアイディアを検討したりとそれなりにプランは考えていますので、そうなったらそうなったときということで。

本年初頭の所感として、何点か思うところを。

  • ユーザー中心価値が試される
    今年はユーザー体験をはじめとする、ユーザー中心価値の本当の価値が試される年になると思います。十数年前のバブル崩壊→超絶円高→金融危機→失われた十年のコンボの最中に、メーカーの利益に直接寄与しない品質がどのように扱われたのか、もうお忘れではありませんよね?コストセンター側に分類されたマニュアルがどのような目に遭ったのか、思い出すだけで涙があふれてきます(棒読み)。
    ユーザー中心価値という価値基準は、まだ不況の洗礼を受けていません。単なる販売促進上の謳い文句として捉えられているのか、あるべき開発プロセスとして組み込まれているのか。この不況をくぐり抜けることができれば、製品/サービスにおける本質的な価値の一つとして、正式に認知されたということになります。またある意味では、我々消費者も試されていることも忘れてはなりません。
  • マスメディアが試される
    大手メディアが経営的に成り立たなくなるのでは?という問題以外に、毎日新聞問題に代表されるように、メディアの根幹たるコンテンツの信頼性にも、幅広い層から疑問符が突きつけらています。あれだけ偏向しているにも関わらず、受動的にTVニュースを受け入れ続けている人は、「何か雰囲気がおかしい」とは思っても、雰囲気に流される傾向があるようです。
    メディアリテラシーについては「大本営発表に騙されるな」という話が必ず取り上げられますが、逆に政府が進めている政策がほとんど伝えられない/切り貼りして逆の方向で伝えられるという、逆方向の大本営発表がまかり通っているのが実情です。マスメディアの最大の武器は、「都合の悪いことは報道しない」であることに注意が必要です。
  • 日本国民の良識が試される
    いつ解散するのかはともかくとして、今年は衆議院選挙があります。マスメディアが試されるだけでなく、日本国民の良識が試されることになります。「報道されていないから」を理由として根拠のない与党叩きに乗るのか、それとも自分から情報を集めて両者を冷静に比較検討して投票行動するのか、その点を見守っていきたいと思っています。なお、現在の野党の政策センスの欠落、責任感・誠実さの欠如、法治主義・民主主義の軽視といった現状行動を踏まえると、現在の国際政治経済情勢下における政権交代は我が国に致命傷を与えかねないと判断しています。衆院選が近づいた段階で、彼らの実績を踏まえた具体的な問題をご説明することになるでしょう。
  • ちなみに話題の定額給付金ですが、私は賛成です。理由としては、1.今回の経済危機は金融政策では対応できず、財政出動が不可避である、2.急激な需要減に対応するために需要を創出する必要がある、3.即効性が高く広範囲の需要を喚起する政策が必要である、の3点です。野党代替案では上記3を満たすことができず、この点に対する代替案を用意しない限り「緊急の需要刺激策は不要だ」と主張していることに等しいことに注意が必要です。それから政府の進める景気対策は定額給付金だけではありませんし(75兆円のうちの2兆円です)、社会保障費用増大に対応するための消費税増税とは財源が別で、関係ありません。ネット上に昨年の平成20年度1次補正予算から2次補正予算、平成21年度本予算における対策(と規模)をまとめた資料官邸がまとめた概要資料(PDF)がありますので、ぜひ一度ご覧頂きたいところです。

まあそんなこんなで、本年こそ適切な更新頻度を維持すべく努力したいと思います…。

TCシンポジウム2008直前情報

2008年08月25日

あまりの業務多忙に更新が滞りまくっている最近です…。昨年夏頃から連休すら取れないのはいかがなものかと思わなくもないのですが、想定が何もかも裏目に出てしまう異常事態が続いたので、仕方がないと泣きながら頑張っている今日この頃でございます。あ、話半分で聞いておいてくださいね(笑)

というわけで直前告知で申し訳ありませんが、今週開催されるTCシンポジウム出し物をする側で参加させていただくことになりました。

  • パネルディスカッション5:業務マニュアルの現状と提言
    業務マニュアルをどう作っていくか?業務マニュアルとはどうあるべきか?という話ではなく、業務マニュアルという存在をTC業界が扱っていくにあたって現状でどのような問題があるのかを明確にする、というスタンスのパネルディスカッションです。現状で業務マニュアル制作に携わっているTC業界の方の報告、業務マニュアル制作・運用管理を担当されている実業務側の方の報告をベースに、議論を進めていきます。私(誰)はコーディネータを担当させていただきますので、爆弾放り込みとか煽り担当ではないのが残念です。
    内部統制やコンプライアンス、技能伝承の隔絶対策など社会における重要性が増大する一方で、「マニュアル」を扱うTC業界が無視してきたのが業務マニュアルという存在です。TC業界ビジネスの大元であったスタンドアロンの取扱説明書の制作市場が減少していくなかで、新たなパイを獲得することができるのでしょうか。
  • 特別セッション7:「全体の絵を描く」ための情報デザイン
    「コミュニケーションの全体像を設計する」というサブタイトルが付いていますが、趣旨としてはリンク先の通りです。基本的な問題意識としては以前書いた記事の通りで、昨年のTCシンポの感想なども踏まえていただくと、スタンスがより明らかになるかと思います。
    ただ、確立されたプロセスというものが存在するものでもないので、「これさえ聞いておけばバッチリ」とあらぬ期待をかけられてしまうのも少々困ります。とりあえずは話が大きくなりすぎて発散してしまうのもアレですから、マニュアル制作のあるべき企画構成プロセスを振り返りつつ、それを大きい絵として拡げていくために必要な観点を補っていくという進行になります。その中で、自分が見聞きした・考えさせられた実例ネタを多めに…という感じでしょうか。

という訳で、当日はよろしくお願いいたします。あ、ちなみにパネルディスカッションの方は京都開催(10/10)でもやることになっています。TCシンポジウムは出し物側として何度か参加させていただいていますが、関西遠征は初めてなので新鮮です。

地デジ対応に合わせてJCOMのSTBを変更したらUIが最悪でTVを見る以前に電源を入れることすら減って放送・家電業界は自分で自分の首を絞めているのではないだろうかとか通常のネタもいろいろあるのですが、いつも各種提出物を待っていただいている状況でそんなネタを展開できるはずもなく。とにかく来月下旬まで頑張りきれば一段落するはずですので、更新再開はその辺りまでお待ちくださるようお願いいたします…。

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