マスメディアによる扇動を機能させないために

2007年8月 1日

この国には「公然の場所で政治の話は避ける」という習慣があるので、このコーナーでも政治の話は避けるようにしていたのですが、さすがに黙ってはいられない状況になってきたと感じます。

参院選前からの一連の扇動報道に対して呆れている人はそれなりに多くて、選挙結果もそれほど極端なことにはならないのではないかと楽観視していたんですが、印象操作に乗る人の多さに愕然としました。 本当にマスメディアの天下で、まさにやり放題ですね。ネットに押されているかもと怯えていた彼らも、自分たちの力に自信を持ったことでしょう。今になって民主党の方向性や政策案にとってつけたような注文をつけてバランス取っているように見せかけていますが、そういうことは選挙前からやるべきです。

さて、今回の参院選の争点となったのは以下のようなことでしょうか。

  • 失言問題
  • 政治とカネ
  • 年金問題
  • 政治姿勢
  • 憲法改正
  • 増税

それぞれについて、以下のような投票判断に影響を与える可能性のある側面がまったく(またはほとんど)報道されていませんね。

  • 失言問題:
    与党関係者の発言を切り貼りして失言としてでっち上げて、野党関係者のトンデモ発言は一切黙殺する。
  • 政治とカネ:
    法的にまったく問題ない(外相のコメント)ことを、曖昧な道義的責任とかいう変な代物を持ち出して印象操作する。しっかり説明しているのに、説明不足だと追い込む。領収書の重複という単なる事務ミスを、不正経理扱いで印象操作する(経費の架空計上するんなら、こんな稚拙な方法取らないでしょ?)。
    以前の文科相のときと基本的には同じ話なのに、相手が弱いと見ればネチネチとつけ回す。それにしても前任者といい、どうして農水相だけがしつこく狙われるんでしょうね。現政権の農業政策で不利益を感じる人達の素性と支持団体が気になりますね←印象操作してみた(笑)
    政治家の活動費は国税から支出している面もあるのである程度の透明性は求められますが、政治活動の自由という面から全面公開は不適当な面もあるでしょうし、バランスが難しいと感じます。
  • 年金問題:
    年金の制度設計の問題と、社会保険庁職員のサボタージュによる所謂「消えた年金」の問題は分けて考えるべきなのに、曖昧にして報道する。だから民主党の比例区トップ当選者が社保庁問題と関連の深い自治労出身者という、年金問題を争点に民主党に投票した有権者を馬鹿にするような事態が発生する訳です。それに民主党の年金制度案の酷さ(所得によるカットや自営業者が支払う年金の大幅増、そもそも移行に40年かかることなど)については、まともに報道されてませんよね。
  • 政治姿勢:
    数の横暴ということが良く言われてましたが、野党が選挙目当てでまともな審議を拒否してる以上どうすれば?反対していたら採決せずにすべて傍観するか、それとも野党案を丸飲みせよとでも?(そういえば民主党案を丸飲みして提案したら、民主党に拒否されたこともあったらしいですね)。年金問題で自党提案を盛り込ませる努力をした共産党が逆に議席を減らすなど、馬鹿らしくてお話になりません。民主党に改革姿勢を求めるのも結構ですが、民主党の執行部の構成がこういう状況であることも報道されていません。
    それにどのような法案を通して、それによって世の中がどう変わるのか?何が解決されるのか/解決されないのか?という冷静な政権評価もまったくありませんでしたね。
  • 憲法改正:
    いわゆる戦後レジーム解消の問題とあわせて、現政権の狙いが何であるか、その周辺事情としてどのような問題があるのかをまったく報道していませんね。それとも解消されると既存のマスメディアに困ることでもあるのですかね(謎)
    極東有事の危険性など、そろそろきちんと報道しておくべきだと思うのですが。戦前のマスメディアって(逆の方向で)こうだったんだろうなあ、本質的にまったく変わってないんだなあと思うことしきりです。
  • 増税:
    「地方の要求による」財源移行ということで地方税増は所得税減とセットなのに、きちんと報道しない(そもそも住民税増に文句言ってる人達は市議選や県議選、首長選でちゃんと投票してるんでしょうか)。定率減税が引き下げになったことは確かに増税に間違いありませんが、民主党の財源案に扶養控除と配偶者控除のカット(=所得税増)が堂々と盛り込まれていることは報道しない(笑)
    それに消費税についても首相は「消費税の議論から逃げない」と言ったのに、いつの間にか「消費税増から逃げない」と編集されている。個人的には編集権の範囲を逸脱していると思うんですけどね。

もちろんこういったことをわかっていて、それでも民主党を支持するという選択をする分には問題ありません。人それぞれ政治的信条や投票の理由が違うのは当然ですから。

問題はマスメディアに煽られて、「お灸を据える」と息巻いていたような人達です。前述の側面などは、ネット上で政治問題を取り上げている場所に行けば、自然と入ってくる情報です。最近のネットの普及率にも関わらずこうした情報が広まらないのは何故なのか?を考えると、やはり冒頭の「政治の話は避ける」という習慣だと思うのです。でもこのままではマスメディアのやりたい放題が増すばかりです。「ネットの力」という漠然としたイメージを過信せずに、政治的な話題に関しても自分の考えること・知ったこと・判断の理由を(時々は)公開して議論するという態度が必要なのかもしれません。マーケティングで話題のWOM(Word of Mouth、クチコミ)ではありませんが、政治についてもCGMを意識するべき時勢なのでしょう。

ということで、マニュアルや情報デザイン系の話にこういう話がときどき紛れ込むかもしれませんが、大目に見て頂ければ幸いです。

The 1140px CSS Grid System · Fluid down to mobile