情報大工のひとりごと

情報デザイン業務の周辺で思ったこと、そして考えたこと

安易なユーザー属性による分類は失敗のもと

2002年04月08日

ターゲットユーザーごとに情報を分類したいという場合に、安易に性別や年齢階層、職業などといった、いわゆるデモグラフィック特性による分類に頼ることが多くありませんか? しかし実のところ、教職員・学生向けに限定して販売されるソフトウェアのアカデミックパック製品のようなものを例外とすると、実はこの種の分類が有効に機能する場面は少ないのではないでしょうか。

こうした分類は、本来「〜したい」というユーザーのニーズや欲求をベースとして行われるべきです。確かに、それらの層を代表するようなステレオタイプのデモグラフィック特性(30歳の男性会社員など)を提示することで、人に対して説明しやすくなる場合もあるでしょう。しかし、分類された情報を不特定多数のユーザーが選ぶという場面を想像するならば、やはりデモグラフィック特性による分類には無理があるのです。

例えば、Aという製品または情報が欲しいというユーザーに、たまたまBという属性の人が比較的多いとしましょう。この理由だけを持って、Webサイト上でAに対するリンクを「Bの方へ」というタイトルで誘導しようとしてしまうと、それが代表的なステレオタイプを提示する意図であったとしても、B以外のユーザーを暗黙のうちに排除してしまうことにつながりかねません。「特定のデモグラフィック特性が、想定される欲求やニーズを持つユーザー層とほとんど完全に一致する」というよほどの自信(笑)でもない限り、Aに対する欲求を持つユーザー全体に対して訴求できる情報分類のタイトル(=ラベル)を用意するべきでしょう。

そういう意味で、Webサイトのトップページに「〜の方は」という、ニーズや欲求をベースとしないデモグラフィック分類をそのまま提示しているところ(例:SOHO事業者の方はこちら)を見ると、何だかなあと思ってしまいます。この辺りの基準選定については、現場レベルで理解が進んでいても、実際の決定権を持っているレベルではなかなか理解してもらえないケースが多いのではないかと想像していますが、早く状況が好転することを期待したいものです。

ところで朝日新聞の新土曜版の記事、「マニュアル不要」をうたってWebブラウザの「お気に入り」整理方法を載せていますが、その記事自体がマニュアルであるという自家撞着はいかにして解決なさるおつもりか。マニュアル批判は毎度のことではありますが、それにしても呆れて物も言えませんがな。

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