どのような形で発表されるのか注目を集めるPSP(PlayStation Portable)とPSXですが、PC Watchでソニーの久多良木さんへのインタビューが連載されています。発売されてから後出しジャンケンではつまらないので、気になる点について先に触れておきたいと思います。

まずはPSPについてですが、

第二のウォークマンにするぞと、僕だけでなくてみんな燃えている。

後藤弘茂のWeekly海外ニュース 久夛良木健氏が語る 次世代携帯...

のように、ウォークマンの再来を期しているようですね。

これはウォークマン(というか携帯音声再生機器)によって音楽が日常生活の一部になったように、ゲームや映画などの映像系のコンテンツも日常生活の一部にする、という意気込みと思われます。しかし、映像系のコンテンツが音楽のように日常の一部になることができるのかというと、個人的には疑問を抱かざるを得ません。ましてや携帯機器ですから、なおさらです。

これはなぜかというと、音声系のコンテンツは「ながら」で楽しむことができるのに対して、映像系のコンテンツを楽しむには、それなりに注意を集中する必要があるためです。また、携帯機器で楽しむコンテンツとしては、映像系のコンテンツは尺が長すぎることも問題となるでしょう。音楽の再生最小単位は一曲で5分程度ですが、映像系はどうでしょう? チャプター単位で区切ったところで、全体を連続して見る(操作する)ことを前提とするコンテンツでは、ちょっとしたときにでも気楽に楽しめるという、日常生活の一部として浸透することは難しいのではないでしょうか。逆に言えば、このような問題を解決する技術や企画(ハードウェア的にもコンテンツ的にも)を捻り出せるのであれば . . . ということになります。

次にハードディスクレコーダー市場で苦戦を強いられているソニー期待のPSXですが、UI面での革新に期待が持てそうです。というのも、

今(のDVD/HDDレコーダ)は、それが非常に低いレベルだから、GUIでEPGを見たり、録画した番組を早送りしたり、ブラウズしたりするのに、かなりストレスがある。 (中略)だったら、そこに、PS2の資産(チップセット)を使ってみようというのが、PSXの主眼。PS2の資産で、第2世代のデジタル家電を実現しようと。

後藤弘茂のWeekly海外ニュース 久夛良木健氏が語る、ポストVHS...

のように、UI面での優位をかなり意識しているように見えるからです(もちろん価格も含めた全体の商品力も、かなりのものになると思われますが)。

家電の設定系のUIは、ボタン(スイッチ)設定→表示パネル上でのメニュー設定→テレビ画面でのメニュー設定のように進化してきてはいるものの、方向ボタンと決定(取消)ボタンの組み合わせという基本はほとんど変わっていません。ですが、実は家電製品のUIでストレスの原因になっているのは、処理能力や表示能力ではなく、(方向ボタン+決定ボタンを使った)既存の選択・決定システムそのものにあるような気がします。現在の家電製品のように機能が増えてくると、操作手順が無駄に増える上に製品の機能全体の見渡しが悪くなり、選択→決定で画面遷移を行うメニューシステムの悪い面ばかりが目立ってしまうのです。

さて、PSXのUIはどのような方向に進むのでしょうか。処理能力を活かした魅力的な設定画面造りを行ったところで、それが既存の家電製品UIの体系をなぞったままでは、操作にストレスを感じる世界から抜け出すことは困難でしょう。せっかくのPSXの処理能力をUI設計にどう活かすのか、ソニーのUI設計チームの活躍に期待したいところです。

「情報大工のひとりごと」をMovable Typeベースに移行したこともあり、いわゆるBlogっぽいスタイル(笑)で記事にしてみました。更新負荷が少ない上に更新頻度も確保できるので、このスタイルの記事も今後増やしていきたいと思います。

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