コンテンツサーバーを切り離せないかな?

2003年11月 6日

デジタル家電へのアプローチは各社様々なのですが(参考記事)、いまのところデジタル家電ネットワークのコアとなるべきホームサーバーに関しては、どうも多機能重装備(TVチューナー+HDD+DVDレコーダー...)志向が強いように思えます。

ですが、本当にこの路線で決まりなのでしょうか。個人的な見方ではありますが、いわゆるホームサーバーという概念で想定されている機能のうち、コンテンツサーバーの機能を分離独立させるという手もあるように思います。つまり、コンテンツサーバーは単純なNAS形態+αで十分では?という発想です。将来的な拡張の容易さや故障時の対応を考えても、こちらの方がユーザーの利便性が大きいのではないでしょうか。

PC上の映像ファイルを再生できるDVDプレーヤーが発表されたとのことですが、これがPC上のファイルではなく、(家庭内)ネットワーク上のコンテンツサーバー上のファイルを利用するというイメージになります(もちろんPCからもコンテンツを利用できるというのは、当然の前提です)。家庭内ネットワーク上に存在する機器からであれば、いつでもどこからでもコンテンツを利用できるという訳です。で、サーバー内のコンテンツにアクセスするためのUIはそれぞれの製品側に持たせる、と。

個別製品へのUI設計&実装でコストがかさむことや、複数ユーザー(端末)によるNAS側の同時使用の負荷対策などを考えると、簡単には行かないかもしれません。ですが、この方向であれば、デジタル家電に対する主導権争いで、ユーザーが被害を被ることは少なくなるはずです。コンテンツサーバーを分離してしまえば、ユーザーを囲い込む(既存資産で縛りつける)ことは困難になりますからね。

もちろんこうした製品が主流になるにはメーカー間の相互接続性の問題が解決されている必要がありますし、なによりもDRM(デジタル著作権管理)との兼ね合いを調整する必要もあります。ホームネットワークにPCを介在させるかどうかが問題になる原因のほとんどは、このDRM問題にあるわけですし。ただ、PCがこれだけ普及して家庭内に入り込んでいるにも関わらず、PCをホームネットワークから排除するというのは本来おかしいと思うんですよね。ユーザーの利便性を損なわない程度にコンテンツ運用の柔軟性を維持できるような、うまい落とし所を見つけて欲しいところです。

The 1140px CSS Grid System · Fluid down to mobile