電源周辺の互換性がなぜ問題にされないのか?

2001年4月11日

あまり表に出てこないながらも、家電製品に関していつも疑問に思っている問題があります。それはACアダプターやバッテリーといった電源周辺部品の互換性がほとんど確保されていないことです。家の中に様々なACアダプターやバッテリーが散乱して、どれをどれに使って良いのかわからなくなって、途方に暮れたことはありませんか?

もちろんバッテリーの形状は筐体デザインに直結しているため、魅力的な筐体デザインを採用するためにバッテリーを特殊形状にしたり、機種毎に異なる形状にせざるをえないという面もあるでしょう。ACアダプターに関しても、必要な電力だけを効率よく供給できるように専用設計にした方が、製造物責任という観点からもメーカーにとって動作検証をしやすいことは理解できます。

ですが、筐体一体型の内蔵バッテリーならばともかく、それ以外の部品は外付けで交換可能なものです。各サイズが規定されている乾電池のように、ACアダプターやバッテリーも、汎用性のある共通部品化することはできないのでしょうか(最近のデジタルカメラは、乾電池サイズの市販充電池を利用できるものが増えています)。こうした部品を共通部品化することで、ユーザーにとっては古い部品を有効活用でき、別のメーカーの製品を購入したときでもわざわざ新品を購入する必要が減るというメリットがあります。

メーカーにとっても在庫管理が楽になるだけでなく、修理部品の保有コスト削減も期待できますし、マニュアルから余計な注意文を削除できる(笑)というメリットがあります。バッテリーは乾電池のように(ビデオカメラ用などの大きいものも含めて)複数の形状をあらかじめ規定しておけば良いでしょうし、ACアダプターについても端子部の色を(6Vは赤、9Vは青などのように)電圧と電流、そして極性ごとに色分けするなどすれば、ユーザーにもわかりやすい表示は十分に可能でしょう。「利幅が薄い本体だけではやってられん。割高な専用別売品を売りつけて収支を改善せねば」という現状があることも理解できますが、このような発想はユーザー不在であるだけでなく、環境負荷を考えても最早成立しえないのではないでしょうか。いくらリサイクル体制を整えたところで、無駄なものを製造すること自体をやめないのであれば、それは欺瞞に他なりません。

「ACアダプターの待機電力を大幅に低減する電源制御回路技術を開発」といった技術開発も重要ですが、もっと根本的なところにも各メーカーが目を向けてくれることを期待しています。 

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