購入「後」にも経験デザインを

2004年8月23日

業務多忙で更新が停滞してしまい、申し訳ありません。停滞している間にも多くの方にご訪問して頂いているようで、さすがに無理やりにでも再開する必要があると思い直しました。という訳で、停滞気味の間に考えたことを少しずつ発掘して、リハビリを始めたいと思います。

伊勢丹メンズ館でスーツを購入して、接客に驚きました。店員さんの接客態度云々ではなく、購入後(サイズ調整後)の引き取りに行ったときに驚いたんですけど。これまでの経験では、サイズ調整後の引き渡しカウンターというものは余剰人員置き場(失礼)感が漂っているスペースだったのですが、伊勢丹メンズ館では全然そのような感じではなかったのです。洗練された物腰の中年の店員さんが気持ち良く対応してくださって、伊勢丹に対する良いイメージが非常に強く残りました。

最近利用したオンラインショップでも、同じような経験をしました。購入受付メールやその後のフォローを含め、購入プロセス自体もさることながら「その後」に対する気遣いを感じたのです。「買って送って終了ではなく、買って送ってからが関係の始まり」とでも言うべきでしょうか。この辺は楽天やamazonの定型メールとはえらい違いですね(まあ、これはこれで必要十分という面もあるかと思います、購入者的にも)。

ユーザーエクスペリエンスが重視される中で、購入プロセスの経験デザインは進んできたと思うのですが、購入「後」プロセスについてはどうでしょうか。確かに、購入「後」プロセスは現実世界(包装/梱包や流通、その他)との関わりが強く、一概に(特にWebサイト関連だけで)どうこうすることは難しい面があることも否定できません。ですが、商品購入の経験デザインというのものは、購入「後」のデザインなしには完結しないと思うのです。

その意味で、経験デザインというものは、多くの部署や人々を巻き込んでいかなければ成立しないんだなあ、と改めて痛感した次第です。

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