制作期間を短縮するにはどうする?

2003年3月10日

すっかり間が開いてしまいましたが(反省)、ようやく復活です。

最近は製品開発期間の短縮(もちろんコストダウンも)が至上命題と化していて、マニュアル制作もそれに合わせて短期化することが求められています。また、現物重視の反復型の開発手法が多用されることが多くなってきている関係か、 マニュアル側も短期間にチェックを何度も重ねて内容を作り込むというケースが増えています。その結果として、数百ページのマニュアルを中二日ですべて修正して再提出という状況が頻発するなど、制作現場にかかる負荷は増大する一方です。まあこれは極端な例ですけど。

さて、負荷増大に対しては投入リソースを増やすことで対応するのが一般的かと思います。ですが、制作期間が短縮されるマニュアルの場合には、単純にリソースを増やしてもうまく対応できないことが多いのです。現状の開発体制では分散オーサリング→集中管理による一貫性チェックという段階を踏む時間など取れないことがほとんどですし、投入したリソースの分だけ余計にコストがかかることにも注意が必要です(どうせ認めてもらえないんですけど)。仕様書や機能単位を中心に解説するリファレンス系マニュアルであれば分散オーサリングでも問題ないのでしょうが、複数機能にまたがるユーザータスクを中心に解説する操作マニュアルは、定型化したもの以外は分散オーサリングに元々向いていないのです。で、既存ワークフローのまま現場に負荷をかけざるを得ない→現場崩壊/社員退職(笑)というお約束のルートを辿るわけです。

こういった問題を解決するには、マニュアル制作を反復型開発とは別のルートに乗せられないか検討するとか、(ユーザーに負担を転嫁しないことを前提に)マニュアルとして提供する情報の内容を見直す/削減するなど、純粋な制作方法以外の部分で何らかの対策をする必要が出てくるでしょう。制作側だけでなく、製品開発側やユーザーに対する情報提供に責任を持つ部門との調整も必要になります。とにかく現状のマニュアル制作を続ける限り、一定の品質を維持することがどんどん困難になってきていることを、多くの方に理解していただきたいものです。およ? 品質なんてどうでもいい? はあ、そうですか。

とまあこういう事情を理解していただいて、新しい情報提供の枠組み造りに取り組めるのは嬉しいものです。多忙で沈没することが増えそうですけど(笑)

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