説明における動的コンテンツの使いどころ

2003年12月 3日

当研究所にも制作ツールの売り込みメールがときどき届くことがあるのですが、その多くは動的コンテンツ作成ツールだったりします。「操作過程を記録して動的コンテンツとして再現できる!」みたいな、オンラインチュートリアル用のオーサリングツール路線といえばわかりやすいでしょうか。

「電子マニュアル作成に最適!」とか銘打ってるんですが、こんな動的コンテンツ、マニュアルやヘルプとしては使い物になりませんよ。商品デモや一発目の花火だけで良いのなら話は別でしょうが、ユーザーの時間を拘束してしまう方法で情報を提供するなど、ありえません。ただでさえ必要な情報を得られずにイライラしているのに、そこで時間拘束などされた日には、もう。売り込む側もわかっててやってるんだと思いますけど、もしわかってないんだったら、すごく嫌な気分。ぷんすか。

ただ、動的コンテンツを積極的に使うべき場所もあります。

製品の使い方にしてもサービスの仕組みにしても、最近は説明対象が複雑になる一方で大変です。説明すべき対象そのものだけでなく、説明に必要な前提情報も複雑になっています。その結果として、入り組んでいる相互関係や、前提条件や時間の変化に依存する状態遷移などの、複雑な説明を要求されることが増えています。

で、このような場合にこそ動的コンテンツを用いるべきだと思うのです。時間軸上の状態遷移を伴った関係図を文章&静止画だけで説明することは困難ですし、様々な軸から情報の関係を示したい場合でも、静止画を切り替えるよりも動的な視点変換の仕組みを用意した方がわかりやすいですからね。Webサイト上で提供される簡易シミュレーションも、この部類に含まれる有効な活用法だと思います。

まあ本当はマニュアルやヘルプなどの外部説明手段に頼るよりも、説明情報をUIに統合すること考えたら?とか思うんですけど。いずれにしても、動的コンテンツのご利用は計画的に(笑)

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